差動増幅器

2017.02.25
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インピーダンス関連ページ資料を作るのに、電流測定をしたいが、RやCは、直列抵抗の電圧で代行したものの、Lに関しては直流抵抗が大きいので直観的にわかり難いデータになってしまう。 低抵抗で電流を測定するには、電圧測定感度を増幅したい。 またテスター用の電流プローブCL-22ADを流用する場合も100倍程度の増幅が好ましい(1mV/1Aの感度:100ターン電流プローブに巻き付けると、増減程度のラフな測定できるのを確認)。

さて、電流プローブが入力インピーダンス1M程度欲しいとのこと。 しょうがないので、両側ボルテージフォロアーでハイインピーダンス入力受けして次段の差動増幅を作ることにした。しかし、部品屋さん店頭で、偶然、差動増幅専用IC:AD623ANを見つけて喜んで買う。
かえってからスペックよく調べると、帯域800k程度らしいので、ちょっと残念(スマホではスペック読みにくいので、タブレットでも持ち出せば店頭でもうちょっとましに検討できたかな)。さらに出力インピーダンス高いので、10k以上の負荷をつけるなという注意書き。 さて困った。 ボルテージフォロアーでうけて、100倍増幅かな?( OPアンプ3ケで最初から作る方が素直な回路だったんじゃなかろうか?

性能はまあまあかな? 次作るときはもうちょっと計画して作ることにします。いちおう3次LPFになるんでしょうね。 もう少し考えた方が良かったかも。 でも、今回のも、電池4本駆動でつかえるので、それなりに喜ばしい。

さて、本題はここから。OPアンプについて語ろう。
OPアンプは、オペレーションアンプという、差動増幅アンプです。各種スペックのものが作られています。

第一次近似として。
1)入力インピーダンス∞
2)増幅率∞

これらの特徴をいかすと、四則演算、微分積分回路が簡単に作ることができます。 コンピュータというと、真空管製の米軍弾道軌跡計算用に開発されたエニアックというディジタルコンピュータが有名ですが、アナログコンピュータというのあって、微積分方程式を解くような応用がされていました。その基本部品となるのが、OPアンプでした。

1)は比較的という話。バイポーラTr(PNPやNPNトランジスタ)のmA単位と比べると、はるかにインピーダンスは高い。オペアンプの応用回路は、大概、1入力が電源固定で、もう一方が信号入力と、かつ、出力からの帰還回路になっていると思います。 この入力負荷(簡単にいうと抵抗)から、オペアンプの入力端子(+か、-か)に流れる電流は、端子に流れ込まないので、出力帰還の負荷にすべて流れることになります。入力抵抗Riに流れる電流Iiは、そのまま出力抵抗RoにIiとしてながれます、つまりRo/Riの電圧比が得られることになります。
程度というのがあって、一説によると、10kΩ程度の抵抗が使われる場合、漏れ電流が無視できないとか。つまり数10μA程度の電流は流れ込むことが想定されるんでしょう。 この場合、理論的には電源(とかGND)につなぐべき基準電圧側も、同じ抵抗をつないで補正する必要があるわけです。

2)の増幅率について、オープンゲインのまま使う訳ではありません。 それに、例えば±5V電源で使うOPアンプが、ゲインが高いと言っても、電源電圧を超えた±5Vを超えられる訳はありません。どこかで飽和してしまうのが道理です。一般論でいうと、フルスイングは電源電圧より1.5V程度内側というのが、普通だったらしい。 いまは、カタログ上”レールツウレール”と記載されているものがあって、少なくともマイナス電源側は、ほぼフルスイングできるので、0Vと+電源の1電源OPアンプが利用できるようになってきたようです。(とはいえ、プラス側はフルスイングどこまでできるか、IC仕様をよく調べてからつかいましょうね。ちなみに出力電圧の飽和領域と、入力電圧の飽和領域が必ずしも一致しないらしいので、入力が0V近傍を使いたいのか、出力が0Vあたりを使いたいのかによってICの選別する必要があるようです)。自分が学生時代は、飽和領域があるので、0V近い信号を使うためには、必ず、±電源を用意していたように思います。
また、現実的なDCゲインに上限があるのに加え、(普通20dB/ディケード=6dB/オクターブ:1次ローパスフィルタの場合)の周波数特性が明示してあるのが普通です。

どの程度で利用できるか?というのは、ICスペックで、利得帯域幅積 (GBW)という項目があると思います。単純に言えば、ゲインとカットプ周波数を掛けたものがこの数値です。例えば、10M(GBW)と記載されたOPアンプは、ゲイン1倍でつかうなら、10MHzがー3dBゲインのカットオフ周波数であり、ゲイン10倍の回路を作ると、1MHzがー3dBのカットオフ周波数となります。

残念ながら、今回作ったボルテージフォロア+100倍反転増幅回路では、38Mのオペアンプといっても、100倍すれば、400k弱のカットオフ。初代の差動アンプが800k帯域なのでもったいない回路構成です(ボルテージフォロアは38M帯域保持)。 まあ、ボルテージフォロアやまて、入力10kで数倍ゲイン差動アンプに、数十倍の差動アンプにすれば、周波数帯域は伸びていいんでしょうが。
これ含めて、第二弾が必要になったら、回路構成考え直すのが正しいでしょうね。

さて、OPアンプ回路の読解法。

負帰還ループ回路で使うのが一般と考えてよいでしょう(データスライサ:コンパレータとかは、解析の不必要な用途でしょうし)。

この場合、±の2つの入力が同じ電圧になるように、回路が動くと考えて間違いありません。 大概どっちかの端子が基準電源固定でしょうから、もう一方の信号入力端子は、仮想電源(基準電源につながった側)につながっていると考えて間違いありません。
そして、OPアンプの入力端子には、電流が流れ込まない(流れださない)ので、その電流は、すべて、出力とつながった帰還負荷に強制的に流れることになります。入力インピーダンスと、帰還インピーダンスの比が、この回路のゲインとなると考えていいと思います。先の入力インピーダンス補正のために、基準電圧側に入力側回路の抵抗相当のものが付いている場合は、すなおに、基準抵抗につながっていると考えて良いです。

以上2点を抑えれば、まっとうなOPアンプ回路は動作の見当がつくはずです。例えば、入力負荷がコンデンサで、帰還負荷が抵抗だった場合、基準電圧に対して、入力電圧の変化率 つまり、電圧微分に相当する電流が、コンデンサに流れます。この電流がすべて帰還抵抗に流れるわけですから、入力信号の微分値が、オペアンプの出力電圧に現れることになります。
(あと、ICの電源電圧と、GBM積が解れば、どの範囲で動くか検討がつくことになると思います)

この程度の理解でも役に立った例(思い出話)。 大学時代、材料系の研究室の実験助手の方Iさん(どうも今I教授さんかな?)に、ゼミに誘ってもらったり、かわいがっていただきました。 この方は高分子膜のセンサ応用の研究に着手していて、ある雰囲気の変化が、微妙な電気特性に変化をもたらす(それが時間分解能に変換されて精度よく変化を測定できる)というのを、オペアンプで増幅して特性調べているのだけれどうまくいかないらしい。 ダメもとで回路図見せてもらったところ、差動入力がプラス側に変化すると、帰還回路がさらに差動量を増大するかいろ構成だったので、±の接続逆じゃね? と進言したら、その通り間違いだったとのこと。 この程度の読解能力でも、実は役に立つという実例です(それまでディジタル回路一辺倒だったので、オペアンプ含むアナログ回路なんて、教科書と学生実験の単位でしか使ってませんでしたけど、原理さえ理解してれば、役に立つよという例です。 

Yahoo知恵袋で、オペアンプに関する解説(をブログに加筆・転載したもの)
差動増幅器

非反転増幅器

微分回路

OPampのゲイン

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